Pierre cardinと聞くと、日本ではライセンス商品が羅列された時代がありイメージ的に良くない方も多いのは事実。
ただパリのSant-Honoreの本店は別格です。
cardinは1946年、クリスチャン ディオールの独立時立ち上げに参加。
47年ディオールのコレクションで話題となった「ニュー・ルック」で、カルダンはタイユール(テーラード仕立て)のアトリエ主任として参画した。
ちなみに当時のディオールのメゾンには、イブサンローラン、ギ ラロッシュがいた。
50年より自らのアトリエを開始し、1953年にはオートクチュールを始める。
自らの前衛的なスタイルでオートクチュールのブランドを立ち上げ活躍。
素晴らしい時代を築き上げた巨匠は、今なお自らデザイナーとして活動し本店には彼のデザインした洋服が所狭しと並んでいます。
前日に時計に巡り合えた事もあり、調子に乗った私は今回の出張の最大の目的でもあったそのSant-Honoreの本店にダメもとでホールセールをお願いしに行く事にしました。
入るや否や、恐る恐るホールセールの相談をすると完全に門前払い状態 泣。
それもそのはず、いきなり店に入ってきたアジア人からいきなり卸売りしてくれと言われてすぐにOKとはならないですよね。
それでも食い下がらない私は、細かくVaseというお店のこと、pierre cardinが1970年代にデザインした時計が好きで数年に渡りデットストックを仕入れしていること、本店の2階にはお宝が眠っていることを知っていること…などなど話をしました。
すると、どんな商品を仕入れしたいんだ?と向こうから。
え?まじ?
えっと、ジャケットが欲しいんです。
しょーがないなー。じゃあ明日用意しといてあげるからまた来れる?
という事で翌日にお店に行くと、なんとVIPしか上がれない2階のフロアへ上げてくれ、しかも広大なストックルームにまで案内してくれました。
という事で、幸運にもpierre cardin初の日本への卸売りはVaseが獲得することができました。
John、本当にありがとうございました。大切に販売させていただきます。
今回仕入れしましたジャケットは、日本人で初めて特別に入る事が許されたその広大なストックルームに眠っていた1980年代の貴重なヴィンテージ。
ただしcardinが長年に渡り定番として細かくリモデルしているジャケットになります。
画像ではなかなか分かりづらいかもしれませんが、肩幅が広く裾が狭い逆三角形。
真横に入るベンツ、かたのイセ込みは通常のジャケットの逆と言ったアバンギャルドを得意とするcardinならではのパターン。
しかも80年代のヴィンテージという事もあり、どれも素晴らしい生地ばかりです。
是非店頭で袖を通してみてください。
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